10選では突っ込めなかった肖像画もやはり、あるわけでして。ということで、今回は番外編。
(10位〜6位はこちらですぞ!!) (5位〜1位はこちらですぞ!!)
前回までは、たった10選ということで、惜しくもランク外となってしまった武将たちも多くいらっしゃいます。
まぁ、そういった方々には、次回がんばっていただくとして。
次回て。どうがんばればいいのか?
まぁ、ランク外・規格外な肖像画もあるしな。ツッコミが難しいものや、なんかこう、そういうの超越してるっていうか。ランク付けするのもおこがましいというか。
もう「殿堂入り」というお方かな。まさに規格外。King of Shozoga。
殿堂入り 徳川家重さん
顔芸はずるい。
肖像画で、これはずるい。卑怯なり!
しかもかなりレベルの高い顔芸ですから。他の肖像画と比べるべくもなし。
ただ、家重さん、脳性麻痺があったとされていて顔の筋肉も麻痺していたので、こういう肖像画になったとの説が。だとしたら、絵師の方もですね、そこまで写実的でなくてもいいんじゃないですかね?徳川に恨みでもあったんですか?
この絵を見た幕府側の人間も、( ´,_ゝ`)プッ てなったのかどうか。
どうなの偉い人?
家重さん江戸幕府第9代将軍。かの暴れん坊、吉宗のご嫡男様であらせられまする。
これといって、特筆すべきことは何もなさっていないんですが、先述の通り、脳性麻痺があったとされていて言語をうまく発音できなかったのではないか、と言われています。じゃ、しょーがないね。
ただ、暗君・暴君の類いではなく、家臣の言うことはよく聞いていたそうです。風評はともあれ、優秀な政治家である田沼意次を大名に抜擢し政界に入れたのはこの家重さんですから、なかなかあなどれませんよ。
にしても、この肖像画はずるい。
他の江戸幕府の将軍たちの肖像画って、評価はともあれ、かなり高貴なお顔に書かれているんだけどなぁ。第13代の徳川家定とかイケメンだしな。
でも徳川家慶なんか、このコンテンツ的には結構いい線いってるんだけどな。それでもまぁ普通ですから。これには遠く及ばない。
ちなみに、徳川の将軍様の肖像画は、Wikipediaのこちらのページで見られますので。ご参考までに。
(徳川将軍一覧 – Wikipedia)
さて、お次も、どう突っ込めばいいのか分からないレアケースな肖像画。
面白い絵ではないんだが、突っ込みたくなったので。
描いた人同じ? 後藤又兵衛さん&母里太兵衛さん
左が後藤又兵衛さんで、右が母里太兵衛さん。
黒田官兵衛、長政の親子に仕えたこのお二方。どちらも、黒田二十四騎、黒田八虎の中の人です。とてもお強い。
ポーズ、構図、頭と体のバランス、画風。とても似ています。
絶対、描いた人同じですよね。黒田家お抱えの絵師ですかね?
「なぁ又兵衛、一緒に描いてもらわね?」
「でも… お高いんでしょう?」
「今なら、肖像画がもう一個つくらしいぜ!」
「まぁ!それはお得!!」と、描いてもらったはずです。
後藤又兵衛さんは、大坂の陣にて、真田幸村に次ぐくらい有名なお方です。
幼い頃に、黒田官兵衛に引き取られ、長政とともに育てられます。官兵衛の死後、この幼なじみとも言える長政とは非常に馬が合わず、黒田家から出て行ってしまいます。そこまで長政が嫌いだったのかよ、という。
又兵衛と長政って、同族嫌悪だろ。絶対。
長政も、この又兵衛の行為に腹が立ち、奉公構という「この又兵衛、すげーむかつくから、絶対に雇わないでよ!約束だからね!」という措置を、全国の大名にお願いします。このおかげで又兵衛さん、就職難となり乞食にまでなってしまいました。
その後は、大坂の陣の際に豊臣方に駆けつけ、夏の陣で奮闘の末、自刃します。
母里太兵衛さんも、黒田官兵衛の家臣。まだ官兵衛が小寺氏家臣だった姫路時代から仕えています。
「酒は呑め呑め 呑むならば〜」の黒田節で有名ですね。福島正則に酒を勧められ一度は断るも、正則が「ふーん、酒に弱いってかっこわるい!飲めば何でもあげちゃうのに」とあおったところ、ムカッときた母里さんは大盃を見事飲み干します。そして、正則が太閤から拝領した名槍「日本号」をGETだぜ!しました。
母里さんがすごいというよりも、市松のバカさが目立つ逸話です。さすがバカ松。
完全に一致 前田利長さん&平資盛さん
えー、完全に一致!絶対に一致!
左が前田利長さんで、右が平資盛さんです。
ロイヤリティフリーな素材集か、なんかですか?
完全に同じ絵じゃないか!使い回し?超絶難解な間違い探しかよ。
それぞれ、違う肖像画ですからね。所蔵されているところも違いますから。
しかし、同じ過ぎだ。「トレス疑惑」じゃなくて、これはもう「トレス」。
当時にコピー機があったとは、驚きです。しかもカラーコピー。
前田利長さんは、ご存知、前田利家の長男さんです。太閤と蜜月であった父利家の死後、豊臣・徳川間の微妙な空気のなか、うまく立ち回った方です。加賀百万石の基礎はこの方が作ったと言ってもいいかと。
この方自身は、決断力にも長けた落ち着いた大人な感じの印象ですが、そんな地味な彼には、とっても愉快な弟たちがついていますから大丈夫。
関ヶ原で、空気を読まず西軍寄りの中立にたった、あまのじゃくな働かない利政。
利長には実子がいなかったためその跡を継いだ利常。通称、鼻毛くん。モロ出しくん。
平資盛さんは、平重盛の次男坊。平清盛のお孫さんです。12歳の時、当時の摂政である松殿基房に対し下馬の礼をとらず、馬から引きずり下ろされました。これを祖父の清盛にチクり、参内に向かう基房を300騎の兵でボコボコにしてたりします。要は、超ボンボンです。チクる相手が、平清盛というスーパー権力者ですもんね。「せーんせいに言ってやろ」のレベルじゃないから。
三草山の戦いで源義経に負け、藤戸の戦いで源範頼と戦い敗北。その後、壇ノ浦の戦いで敗れ、入水して自殺します。享年は25とも。なんとも儚い人生ですねぇ。
おそらく利長さんの絵師が、モロパクリしたんでしょう。クレームがきても避けられないレベル。あーぁ、やっちゃった。
この肖像画が似すぎているのは、アンサイクロペディアでも突っ込まれてます。そりゃ突っ込むよな。
(前田利長 – アンサイクロペディア)
えー、いかがでしたでしょうか。肖像画シリーズ番外編。
少々、突っ込みの精彩に欠けるのは、やはり番外編だからでしょう。そうしておいてくれ。たのむ。
別の肖像画が似ていることなんて、多くあるけど、前田利長さん&平資盛さんのは、シャレになってないなぁ。
今まで、何人の人が突っ込んだんだろうか。
学術的解釈があるなら、ぜひ聞いてみたい。
他にも突っ込みたくなる肖像画があれば、みなさん、Twiiter等でぜひ教えてくだされぃ。 (@rekishizatsudan まで!)
肖像画と言えば、「戦国鍋TV」の「武士絵描歌」、おもしろいよね。毎回、この歌で描けるわけねーじゃん!あほだなー(褒め言葉)ってなるwww
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