龍馬伝終わったなぁ。いやぁ、おもしろかった。キャラがみんな濃ゆくて。
次は「坂の上の雲」やな。なにげに楽しみでして。私。
「坂の上の雲」をもっと楽しむには、明治の政治家・軍人の人となりを知るといいよね、きっと。
そりゃそうだ。明治は、軍人と政治家がごっちゃだからな。
「坂の上の雲」の舞台ともなる明治のふたつの対外戦争の時、内閣は両方とも長州閥だな。日清戦争は伊藤博文、日露戦争は桂太郎。軍閥も、どちらかというと長州中心だしな。
しかもその日清戦争勃発時とほぼ同時期に第1回衆議院選挙を行っている。しかも日清戦争中に初代内閣総理大臣就任。しかも、日清戦争の宣戦布告直後に、第4回衆議院議員総選挙。まぁ、選挙の方が先に決まっていたんだけど。現在にまで続く内閣制度のはじまりの割には、戦争中に選挙実行ってのがね。呑気なのか、剛胆なのか。
[2011.04.12 追記]
@nabiki_05151101 様よりご指摘をいただき、修正させていただきました。ありがとうございました!!
それが明治という時代さ。ふふふ。
さて、小難しい話は止めてですね、明治時代の総理大臣の人間くささをまとめてみましょう。
おのおの、総理としての手腕は置いときましょう。偉人も人間ですからね。
- 初代 伊藤博文
- 長州の下級藩士出身。政治姿勢も清廉そのものな人物だったが、芸者遊びは度が過ぎる人。その女遊び癖を、明治天皇直々に説教されたことがある。「伊藤、ええかげんにせぇ」と(明治天皇はもちろん京都弁=公家言葉)。戦争が嫌いで、平和主義者。超いい人っぽい。
- 第2代 黒田清隆
- 薩摩藩士出身。在任中、大日本帝国憲法の発布が行なわれたが、この人はあまり関わっていない。井上馨が嫌いで、酒に酔った勢いで井上の家に忍び込む事件も起こしたことがある、なんとも面白いお方。
- 第3代 山縣有朋
- 長州の中間出身。陸軍の基礎を作った人。この陸軍が、太平洋戦争での悪しき陸軍に繋がると司馬遼太郎も、ボロクソ言っている。ハッキリ、こいつのせいだ、と。汚職の権化、権力大好き、大豪邸&庭園マニアと、あまりいい印象がない人。
- 第4代 松方正義
- 薩摩出身。もともと島津久光の側近。日本銀行を設立した優秀な財政家。当時のインフレ対策として、紙幣整理・税収向上・国家予算節約などの財政対策を行なったら、効果がありすぎて、逆に「松方デフレ」を起こしちゃう。やりすぎたね松方さん!
- 第5代 伊藤博文
- 俊輔、2回目の総理就任。この頃、日清戦争がおこり、下関条約締結。これが三国干渉を引き起こす。なかなか胃の痛い時期だっただろうな。
- 第6代 松方正義
- また松方さん。この人、明治天皇に非常に可愛がられていた。理由はよく分からないが。この後、日本赤十字社社長に就任。今なら超天下りですね。
- 第7代 伊藤博文
- またまた、俊輔、3回目の総理就任。ミスター総理だな。約半年で総辞職した短命内閣。飽きてきたんでしょうかね?
- 第8代 大隈重信
- 佐賀出身。薩長藩閥以外で初の総理です。早稲田大学の創始者。慶応創始者の福沢諭吉とは、仲が悪く、福沢に「あなたも学校をおやりになったらどうです?」と言われ、ムカッときて早稲田大学を作ったという、とてもかわいい人。
- 第9代 山縣有朋
- 狂介くん、2回目の総理。高杉晋作が生きていたら、この人の傍若無人ぶりをどう説教したんだろうか。マジ、いいイメージないんですよ、この人に。すいません。
- 第10代 伊藤博文
- 俊輔、4回目の総理。これで最後です。この後、ハルビンで安重根によって狙撃・暗殺されてしまいます。これに対し、大隈重信は「華々しい死に方しやがって!」と本気で羨ましがったようです。不謹慎な。今なら大問題どころじゃないよ。
- 第11代 桂太郎
- 長州藩の上士出身。ボンボン。木戸孝允への甘え方は異常。木戸も桂には甘すぎ。この頃に日露戦争が勃発。小村寿太郎を外相に起用した人。戦争には勝利しましたが、ただその戦後処理に国民が不満を感じ、日比谷焼き打ち事件が起きています。
- 第12代 西園寺公望
- 公家出身。日和見な公家には珍しく、戊辰戦争に従軍したりと、戦好きなお公家さんです。公家であることを嫌って、武家風に「望一郎」と名乗ることも。公家のプライドと、武家への憧れを持った、おもしろい人です。昭和15年、90歳まで生きました。
- 第13代 桂太郎
- 2回目の太郎さん。この後しばらく、先述の西園寺と交互に総理を務めます。いわゆる桂園時代。私費留学時代に、木戸孝允に甘え、官費留学に変更してもらったのに、勝手に日本に帰ってきたりする放蕩ぶりを発揮。
- 第14代 西園寺公望
- 公望はん、2回目の総理。この時期で明治時代は終わり。明治最後の総理ですね。この公望はん、フランス留学時代、金がなくなり、所有していた超安い刀を「正宗だ」と偽って売りつけるなど、詐欺まがいのことまでしてたこともあり、そんな愉快な貴族です。
とまぁ、黎明期の政治家は、トップからして、面白い方が勢揃いですな。
自由人が多いね。今はこうはいかない。総理は。
なんか当時は、内政も外交(戦争)も、いっぱいいっぱい、がんばりました!ってな感じがするわな。戦争賛美はしないけど。
当時は、帝国主義時代、富国強兵時代ってことで。史実は史実として受け止めねば。
どうしても、戦争というと太平洋戦争のイメージがあるから、総力戦で国民も我慢していたってイメージがあるけど、戦争は戦争、国造りは国造りって切り分けて考えられてたんかね?
維新期も国内とはいえ動乱していた時期で、それにもかかわらず官僚機構を構成できたのと同じっちゃー同じだけど、統治と戦争を両方ともできたって、すごいじゃないか。
たしかにすごい。桂太郎時代は西園寺公望と持ち回り内閣(桂園時代)だったから、国内の政治的には安定していたんだろうけど、戦争しているのに安定しているってのもすごい。
帝国主義の時代だから戦争もひとつの内政手段だったんだろうか。桂園時代が終わった後から大正デモクラシーに入るわけだけど、やっぱ安定期がなければ自由は得られないってことなんだろう。
まー、今と違って国民そのものが、変わりゆく日本、強くなり行く日本に対しての期待感、高揚感いっぱいで、大正までちょっとしたお祭り感覚だったんじゃねーかなぁ。
あー、それはでかそう。国民感覚が今とは違う。
でも、今の政界、政局の方が興味深いわ。ニュースにつきないね。
笑い事じゃないけどな。oh… バ官…